展示趣旨:古来より韓国と我が国は交流や交易によって深く結びついてきました。新羅の都が置かれた古都・慶州は、同じく古都である奈良市と姉妹都市の協定を結び、現代においても密接な交流を行なっています。
慶州では、現在でも町の至るところで古墳を目にすることができます。天馬の描かれた障泥やまばゆいばかりの金冠など12000点近くにものぼる各種の装身具・武器・馬具などが出土した天馬塚古墳を代表として、三国新羅時代に築造された王陵にはさまざまな装身具・武器・馬具・土器など多くの品が副葬されました。そうした新羅の王陵が築造された時代は朝鮮半島と日本との交流が非常に盛んであった時期にもあたり、それによってもたらされた新たな文物や技術が日本の古墳文化に強い影響を与えたといわれています。
この度、以前から学術交流を続けてきました奈良国立博物館と韓国国立慶州博物館の共同開催展として、天馬塚・皇南大塚・金冠塚・瑞鳳塚などの王陵および王陵級の古墳から出土した国宝4件、指定宝物6件を含む98件210点の出土品を展示いたします。
距離的にも文化的にも近い国でありながら、これほど重要な遺跡の遺物が一つのテーマ性をもって展示されるのは日本で初めてのことです。この展覧会が両国間の文化交流の契機となれば幸いです。(以上、展示案内チラシより引用)